ガラスの種類は非常に多く、それを化学成分、使い道、製造方法などで分類していますが、その種類は数え方によっては数千種類にもなります。例えば、光字ガラスだけでも、屈折率や分散(色による屈折率の差)の違いを厳密に分けたガラスが数百種類も作られ、使われています。

 しかし、普通良く使われているガラスは、化学成分で分類すると三つの大きなグループに分けることができます。ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラスです。この三つで、すべてのガラスの95%くらいになります。残りの5%くらいは特殊ガラスで、種類はたくさんありますが、作られている量はそれぞれごく僅かです。

 一部の例外をのぞいて、ほとんどのガラスは二酸化けい素(SiO)を主成分とする「けい酸塩ガラス(けいさんえんガラス)」です。


ソーダ石灰ガラス

窓ガラス、びん、多くの食器類などに使われる、もっとも普通のガラスで、古代に最初に作られたガラスもソーダ石灰ガラスと考えられています。二酸化けい素、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カルシウム(CaO)が主成分です。酸化ナトリウムの代わりに酸化カリウム(KO)が使われることもあり、両方が使われることもあります。ソーダというのは、原料として使われる炭酸ナトリウムのことを指す言葉です。


 
鉛ガラス(クリスタルガラス)

高級食器や装飾品などに使われガラスで、二酸化けい素、酸化カリウム、酸化鉛(PbO)が主成分です。ソーダ石灰ガラスに比べて、屈折率が大きく、カット模様をつけるとキラキラと良く輝きます。


 
ほうけい酸ガラス(耐熱ガラス)

ほかの二つのガラスに比べて、二酸化けい素の割合が大きく、ほかにほう酸(B)、酸化ナトリウムあるいは酸化カリウム、酸化アルミニウム(Al)などを含んでいます。ほうけい酸ガラスは、化学的な侵蝕や熱衝撃(急な温度の変化)に強く、化学工場の製造プラント、実験用ガラス器具、薬のアンプルや薬びん、大型の照明器具などに使われています。一般家庭でも耐熱用品として使われることがあります。